医科歯科連携
大切なのは歯だけでなく全身の健康
大切なのは歯だけでなく
全身の健康
「医科歯科連携」とは医科と歯科が協働し、患者様への総合的な治療を提供するアプローチであり、当院でも積極的に行っております。
例えば、歯周病は口腔内のみならず、脳や心臓に関連する疾患の原因にもなり、誤嚥性肺炎、糖尿病、早産や低体重出生のリスクを高めます。全身の健康を重視する当院では、医科歯科連携が重要だと考えております。さまざまな疾患や症状を持つ患者様に対して、適切な治療を提供できる体制を整えているのが、当院ならではの特長です。
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_01@2x.png)
医科と歯科が
連携するメリット
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_02.jpg)
医科歯科連携には、患者様にとってさまざまなメリットが期待できます。口腔内の症状は他の部位に関連することがある一方、体調不良が口腔内に影響を及ぼすこともあります。
医科歯科連携により、互いに必要な情報を共有でき、患者様にとって今必要な診療の提供につながるのです。
- 医科歯科連携により、検査や投薬の無駄を削減できます。
- 相互的な情報共有を通じて、診療の提供がスムーズになります。
- 同一医院での一貫した継続的な診療が可能です。
- 地域医療への貢献になり、患者様の健康をサポートできます。
周術期口腔機能管理に
対応可能
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_04.jpg)
放射線治療・抗がん剤治療を行う患者様がいらっしゃる場合、資料(診療情報提供書等)を当院にお持ちいただければ、適切な口腔機能管理を提供いたします。
口腔ケアにより、以下のようなメリットが期待できます。
また、がん以外の全身疾患に対しても、感染症による重篤化の予防をめざした口腔ケアを行ってまいります。
周術期口腔ケア(口腔機能管理)でできること
専門的口腔ケア
全身麻酔手術前、抗がん剤治療前、頭頸部の放射線治療前に、歯科医師および歯科衛生士が口腔内の感染源を除去し、口腔衛生をよくすることで、術後肺炎や口腔粘膜炎などの合併症を最小限に留め、患者様のより早い回復を目指しています。また、手術後にも地域のかかりつけとして継続的な口腔機能管理が可能です。
歯科治療
歯性感染巣のコントロールとしてう蝕、歯周病治療を行います。
義歯の調整が必要な患者様には、しっかり咬んで食事ができるように治療いたします。
マウスプロテクタ
全身麻酔手術前の患者様には、気管挿管時の歯の損傷予防のためにマウスプロテクタ作製を行うことが可能です。
周術期での口腔環境起因の主な合併症・トラブル
誤嚥性肺炎・VAP
現在周術期における口腔環境が原因となる術後合併症として非常に重要視されているのがこの2つです。
- 誤嚥性肺炎は高齢者などで高頻度に見られるものです。周術期においては手術侵襲や術後回復期における意識レベルの低下による嚥下機能や咳嗽機能の低下等によりおこる合併症でもあります。
- VAP:Ventilator Associated Pneumonia=人工呼吸器関連肺炎とは、気管挿管をはじめとする人工呼吸管理下でおこる肺炎の総称です。特に気管内挿管が長引くほど発生頻度は上昇します。
感染経路は主に
- 挿管チューブを伝わった唾液、口腔内分泌物の侵入、誤嚥
- 胃内で繁殖した細菌の逆流、誤嚥
- 口腔と挿管チューブで同じ吸引管を用いるなどの不潔な吸引操作
- 人工呼吸回路の汚染
などとされています。
特に挿管チューブを伝わる唾液や口腔内分泌物による感染が口腔由来細菌であったという報告がされています。(河田尚子,岸本裕充,花岡宏美,森寺邦康,橋谷進,野口一馬,浦出雅裕:食道癌術後肺炎予防のための術前オーラルマネジメント.日本口腔感染症学会雑誌2010;17(1):31-4 )
対策として
口腔、咽頭部の細菌数減少が効果的とされています。(Chan EY, Ruest A, Meade MO, et al.:Oral decontamination for prevention of pneumonia in mechanically ventilated adults: systematic review and meta-analysis. BMJ 2007;334:889-893)
挿管中の患者や意識レベルの低下した患者に対し、頻回の口腔ケアが推奨されております。口腔ケアをやりやすい口腔内環境作りが重要です。
炎症の急性化、全身的波及
原因については、周術期の外科的侵襲、薬剤投与等による免疫低下により無症状の局所感染巣の炎症の急性化、血行性の全身波及が起こることがあります。
特に抗がん剤、免疫抑制剤の投与、放射線治療の実施では深刻な影響が考えられ術前の対策が求められます。
対策として、術前の診査、リスク評価に基づき感染巣の除去、治療免疫力低下のリスクとなるものとして主なもの
- 抗がん剤治療
- 放射線治療
- 免疫抑制剤投与
周術期管理計画策定の段階での評価がなにより重要です。リスクが高いと評価される感染巣に関しては根管治療、抜歯等が適応となります。
ルーペまたはマイクロスコープを使用し専門的口腔ケアを実施
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_08.jpg)
八幡歯科医院では治療のみならずケアにおいても、全ての歯科衛生士が拡大鏡を装用し施術を行います。
拡大視野を確保することで、裸眼では見えにくいリスク部位や感染巣に的確にアプローチすることが可能です。また歯肉内へ器具の正しい挿入角度が維持でき、組織を傷つけないこと、患者様の痛みを抑えることが可能です。VAPのリスク低下のためには口腔内の総細菌量を減らす必要があります。術前に歯石、歯垢の除去、齲蝕治療、不良補綴物の調整・治療とともに、入院前、外来処置で可能な処置としては全周にわたるスケーリング・PMTCとともに入院後周術期におけるメインテナンスが重要となります。
口腔外科専門医による外来診療が可能
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_09.jpg)
炎症所見のある要抜去歯の抜歯、消炎処置をはじめ、症状のない齲窩であっても食物残渣やプラークの滞留が起きやすい状態であれば可能な限り齲蝕処置等を行います。
周術期、特に術直後はセルフメインテナンスが困難になる場合が多いことを考慮し、できる限り感染源になりうる部位を減らす必要があります。 八幡歯科医院では口腔外科専門医による抜糸処置が可能です。
抜歯が必要かどうかの判断においては、挿管時の侵襲に影響がなければ、退院後に歯科医院通院可能な時期に抜歯できるため、術前に無理に抜歯する必要はないと判断することもあります。
術後、免疫抑制剤の投与や、抗がん剤や頭頸部への放射線療法が想定される場合は、長期的に抜歯が困難になることが予想されます。抜歯適応に至らないケースであっても、急性症状発現のリスクがある歯は、治療前に抜歯を考慮するなど、残せる可能性のある歯牙は保存しつつ、術後急性症状に苦しむ状況に陥らないよう大局的な判断を心がけます。
連携できる歯科をお探しの医療機関の方へ
当院はこれまで医療連携を通じて、周術期口腔機能管理を多数行ってきた実績があり、がん治療に対する十分な理解と質の高い口腔機能管理の提供が可能です。周術期口腔機能管理計画書を作成の上、患者様やかかりつけ病院の医師とも連携し、がん治療・歯科治療の双方が円滑になるように配慮しております。周術期口腔機能管理として医療連携をお考えいただいている場合は、まず当院にご相談ください。
ご紹介いただけるようでしたら、下記より紹介状をダウンロードいただき、プリントアウトしたものをご使用ください。
必要事項をご記載の上患者様にお渡しください。スムーズな診療のためにご協力いただけますと幸いです。
皮膚科の先生方へ
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_03.jpg)
近年では「金属アレルギー」に関する報道が増え、歯科でも非金属の歯科材料を使用する「メタルフリー治療」を求める患者様が増えています。その際、患者様から「金属アレルギーのパッチテスト」の依頼がありますが、歯科ではパッチテストを実施できません。また、メタルフリー治療を行うにあたり、現在口腔内にある銀歯(金属)を除去した後に、アレルギー症状が一時的に出るリスクが考えられます。
そのため、患者様には歯科と併せて、皮膚科の受診を推奨しております。当院は皮膚科の先生方とも連携を強化しており、患者様のご紹介・受け入れが可能です。
また、皮膚疾患に関連する治療が必要な場合は、皮膚科の先生方へご紹介できる体制を整えております。連携の機会は決して頻繁ではありませんが、ご紹介いただける際には大変ありがたく存じます。医科歯科連携の一環として、患者様の全身の健康維持に貢献できるよう、今後も協力をお願い申し上げます。
連携していただける場合のお願い事項
- メタルフリー治療をご希望の患者様の、アレルギーパッチテストの実施および治療
- 金属アレルギー疾患をお持ちの可能性のある患者様の当院へのご紹介および治療
- 当院のホームページ上において「連携医療機関」としてご紹介することへの承諾
ご紹介いただけるようでしたら、下記より紹介状をダウンロードいただき、プリントアウトしたものをご使用ください。
必要事項をご記載の上患者様にお渡しください。スムーズな診療のためにご協力いただけますと幸いです。
糖尿病治療を手掛けられている先生方へ
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_05.jpg)
糖尿病の患者様は、歯周病のリスクが高く悪化しやすいという特徴があります。近年の研究からは、血糖コントロールができると歯周病の悪化が抑えられ、プラークコントロールができると糖尿病の改善が期待できることが明らかになりました。
内科と歯科が互いに連携し、糖尿病の治療と向き合う患者様を適切にサポートしていく結果、歯周病・糖尿病の両方が改善に向かっていくと考えられています。糖尿病治療に取り組む患者様をサポートされている医療機関様は、当院との医療連携をご検討ください。
日本糖尿病協会 登録歯科医が在籍
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/preventive_10.jpg)
歯周病が悪化すると、歯周組織の炎症巣から放出される化学物質が、インシュリンの効力を弱める働きをして、糖尿病が憎悪すること、重度の歯周病が糖尿病による心筋梗塞、脳梗塞の発症を高める可能性が高いこと、歯周病の治療、管理により、糖尿病患者の血糖コントロールが良好になること、一方糖尿病が進行すると、微小血管の障害が生じて、歯周組織の血行が悪くなるため、歯周病が悪化するのはご存じのとおりです。
当院の医師が多数在籍している日本糖尿病協会は、医師・看護師・栄養士などの医療スタッフ、および糖尿病患者様から構成され、糖尿病に関する知識を深め、糖尿病治療の標準化、新しい治療法の発展を目的としている団体です。すでに当院の医師が協会を通して糖尿病治療の先生方と連携し、治療を進めている実績が豊富にあります。
これまで以上に「適切に糖尿病をコントロールできる治療を提供していきたい」とお考えでしたら、ぜひ当院との連携をご検討ください。
糖尿病予防指導認定歯科衛生士の有資格者が在籍
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/preventive_11.jpg)
「糖尿病予防指導認定歯科衛生士」は、日本歯科衛生士会が 2016年度に新設した資格です。糖尿病予防に必要な保健指導と管理に関する専門的な知識・技能を習得し、それを活かして地域社会に貢献できると認められた歯科衛生士に与えられます。
糖尿病と歯周病は深い関わりがありますから、糖尿病予防指導認定歯科衛生士による歯科保健指導を行い、患者様の治療へのモチベーションをコントロールしつつ、プロフェッショナルのケアとセルフケアを継続できるようサポートをしていきます。
詳細は当院のスタッフにお気軽にお問い合わせください。
連携できる歯科をお探しの医療機関の方へ
糖尿病治療に取り組む患者様に対して、当院は周術期口腔機能管理計画書を作成し、医療連携として一人ひとりの口腔機能管理を行っております。
糖尿病と歯周病には相互関係があり、当院では歯周病を専門とするチームが担当し、かかりつけの病院との計画に合わせながら、円滑な糖尿病治療の実現をサポートいたします。
糖尿病治療と歯科との医療連携をお考えの医療機関様は、まず当院にご相談ください。
ご紹介いただけるようでしたら、下記より紹介状をダウンロードいただき、プリントアウトしたものをご使用ください。
必要事項をご記載の上患者様にお渡しください。スムーズな診療のためにご協力いただけますと幸いです。
血液凝固剤を
使用されている先生方へ
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_06.jpg)
脳梗塞や心房細動の疑いで抗血栓療法を行う場合、歯科治療や抜歯などの口腔外科処置では、出血のリスクに注意が必要です。ただし、抗血栓薬の服用を中止すると、血栓塞栓症(脳梗塞・心筋梗塞など)のリスクが高まる傾向にあります。
当院では抗血栓療法に取り組む患者様に対して、循環器病学会によるガイドラインに基づき、抗血栓薬を休薬せずに歯科治療や口腔外科処置の提供を目指しております。
また、止血管理も徹底しておりますので、抗血栓薬を服用中の患者様はもちろん、医療機関の医師の方もぜひ当院との連携をご検討ください。
連携できる歯科をお探しの医療機関様へ
抗血栓薬を処方されている場合、おくすりの種類や用量、PT-INR値(International Normalized Ratio:国際化標準比)などの情報提供をお願いしております。
治療時に止血が困難になった際も、当院では技工室を併設しているため、止血用シーネ(止血包帯)の即時作製と迅速な対処が可能です。抗血栓薬を服用中の患者様との連携をお考えの医療機関様は、ぜひ当院にご相談ください。
ご紹介いただけるようでしたら、下記より紹介状をダウンロードいただき、プリントアウトしたものをご使用ください。
必要事項をご記載の上患者様にお渡しください。スムーズな診療のためにご協力いただけますと幸いです。
![](https://www.yahatashika.jp/wp-content/themes/yahatashika-jp/images/under/alignment_07.jpg)
「地域医療の質向上と
健康寿命の延伸のために」
がん診療においては多職種連携が浸透していることもあり、今後ますます歯科の立場からも当院も患者様の包括的な治療に取り組み、周術期口腔機能管理における歯科としての役割を果たし、医療分野に携わる一員としてシームレスな医療に貢献してまいります。